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技術コラム

アルミニウム合金鋳物の種類とそれぞれの特徴について(1)

アルミ鋳物は、原料であるアルミを溶かした鋳物で、アルミニウム合金自体の性能である軽量で熱・電気伝導、耐食性、リサイクル性に優れており、外観も美観であるという特徴があります。軽量である特性を活かし、特に自動車部品や航空機部品、船舶部品等の輸送機械業界で幅広く使用されています。ここでは、アルミニウム合金鋳物の種類と、それぞれの特徴についてご紹介します。

アルミニウム合金鋳物の種類

アルミニウム合金鋳物は、Al-Cu系合金、Al-Si系合金、Al-Mg系合金の3つに大別されます。

Al-Cu系合金は、アルミニウム合金に強度を高めるために銅を付加した材質です。Al-Cu系合金には、Al-Cu-Mg系合金、Al-Cu-Si系合金、Al-Cu-Ni-Mg系合金があります。

Al-Si系合金は、アルミニウム合金に耐熱性を高めるためにケイ素を付加した材質です。Al-Si系合金には、Al-Si系合金、Al-Si-Mg系合金、Al-Si-Cu系合金、Al-Si-Cu-Mg系合金、Al-Si-Cu-Ni-Mg系合金があります。

Al-Mg系合金は、アルミ合金に耐食性と強度を高めるためにマグネシウムを付加した材質です。

それぞれの特徴について

本記事では、Al-Cu系合金の特徴について記載しています。Al-Si系合金とAl-Mg系合金の特徴については別記事でご紹介します。

1.Al-Cu-Mg系合金の特徴

Al-Cu-Mg系合金は、機械的性質に優れ、切削性もよく、電機伝導性に優れているため、自転車用部品や航空機用油圧部品などに使用されています。JIS記号では、AC1Bと表されます。

2.Al-Cu-Si系合金の特徴

Al-Cu-Si系合金は、機械的性質、鋳造性、被削性、溶接性が優れています。そのため、自動車部品のシリンダーヘッドやマニホールド、足回り部品などに使用されています。JIS記号ではAC2A、もしくはAC2Bと表されます。

3.Al-Cu-Ni-Mg系合金の特徴

Al-Cu-Ni-Mg系合金は、高温強度、切削性、耐摩耗性に優れています。空冷シリンダーヘッドや航空機用エンジン部品などに使用されています。JIS記号では、AC5Aと表されます。

 

Al-Cu系合金(AC2A)の製品実績:船舶向けエンジン部品

こちらは船舶用のエンジン部品のアルミ鋳物です。半割れで鋳造を行い、合わせ面とボルト穴の加工を行った後、ボルト締結してから内径と面加工を行っています。組立時に分割して再度締結するので、再締結時に寸法誤差が生じないよう、幾何公差が非常に厳しく、鋳造品も高い精度が要求され、また加工時の締結のトルク管理も必要になります。

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今回は、アルミニウム合金鋳物の種類とAl-Cu系合金の特徴についてご紹介しました。アルミニウム合金鋳物には様々な種類があります。

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