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技術コラム

アルミ鋳物の検査で気を付けるべきポイント

アルミは材質上軟らかい性質も持つために、鋳造品にキズが生じる場合や工場環境によっては異物が介在する場合があり、品質に大きく影響を及ぼします。そこで、当社がアルミ鋳物を安定的に高品質なものをご提供するために実施している検査のポイントについてご紹介します。

アルミ鋳物の検査工程とは

アルミ鋳物の検査工程には、耐圧検査と異物混入の2種類がございます。

1.耐圧試験

鋳物の気密性・耐圧性を試験する際には、一般的に耐圧試験ではイニシャルバブル法と減圧凝固法の2種類の検査方法を使用します。前者のイニシャルバブル試験では溶湯をステンレス製のるつぼに採取し、減圧容器内に設置してから真空ポンプで減圧し、水素ガス気泡の発生を確認し、そのときの温度と圧力から水素ガス量を求める方法です。一方、後者の減圧凝固試験とは、溶湯をステンレス製の容器に採取し、減圧容器内に設置してから真空ポンプで減圧して凝固させ、冷却後に試料を切断してガス気泡の分布と大きさから水素量を推測する方法です。

2.異物混入試験

異物混入を試験する際には、一般的にKモールド法を使用します。鋳型に溶湯を鋳込み、凝固させた後に得られた短冊状の試験片をハンマーなどで5~6片に割り、その破面に現れた介在物の数を求める方法です。評価方法としては、全ての破面に現れた介在物の総数を試験片の数で割った値を求め、この値をK値と呼びます。そのK値はランクA~Eに分類して行い、鋳造に用いてよい溶湯品質であるかを判定します。

アルミ鋳物の検査で気を付けるべきポイント

1.製品の歪み

アルミニウムは材質上、軟らかく傷がつきやすい性質であり、150°Cを超えてしまうとゆがみや変形、割れが生じてきます。そのために加工前後で寸法誤差を生む歪みや傷を発生する場合がございます。当社では、接触式3次元測定機を使用し製品に直接触れて測定するまたは非接触3次元デジタイザでレーザー光を当てて三次元で測定することで鋳物の割れやキズの無い高精度な鋳造品を作成しています。

2.照度

鋳物の検査工程で外観検査がございます。対象物に対して照度測定を行い、JISZ9110照明基準総則のポイントによる基準値内であるかの確認をいたします。検査対象によって検査規格が異なるために注意が必要である。また、外部の影響を受けやすい温湿度管理を行うことによって鋳造工程の標準化による品質保証と湿度に関連する鋳巣の発生を抑制することが可能となります。

3.検査員のスキル管理

検査員のスキル管理とは、品質管理を任せる作業員が色覚や視力、測定機の扱いに関して基準値以上の水準を達しているかの管理が重要となります。特に当社ではQC検定の資格保有者が在籍しているために厳しい品質管理基準の元、お客様が求める高品質の製品を効率よく生産する方法を考え、それを製造過程に反映しています。

4.計測機器の校正管理

計測機器の長期使用による調整の狂いや摩耗により部品劣化が生じ、正確な測定値が測定出来ない場合がございます。そのために、校正と呼ばれる使用実機が正しく測定できているかを確認する作業が必要となります。そこで当社では、校正に用いた機器の校正経路を記載した書類であるトレーサビリティ体系図と校正を行った日や、校正を行ったメーカー名、検査試験項目、検査結果などが記載された校正証明書を元に、ISO9001が要求する基準を立証しています。

5.工場環境が重要

アルミは表面上に白い凸部分が飛び出ている白錆と呼ばれる局部腐食が発生しやすく、全体に錆が広がっていきます。この白錆の発生原因は主に塩分、ホコリ・チリ、すす・排気ガスが挙げられます。当社では、5S活動や空調管理等の工場の環境設備が徹底しています。特に砂の飛散や切粉等が発生する生産現場では、日常清掃を実施しているために可能な限り白錆が起こらない環境づくりを徹底しています。

アルミ鋳物の検査事例①:自動車向け排気冷却部品

こちらは自動車用の試作開発部品です。エンジン回りの部品なので、高耐圧性能が要求されることもあり、耐圧検査もポートごとに行う必要があり、3回に分けて検査を実施しました。この製品を木型から鋳造、機械加工、部品を組付けての耐圧検査まで、短納期で対応させていただいたことで、お客様からも大変喜んでいただけました。

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アルミ鋳物の検査事例②:電力設備用スイッチケース

こちら電力設備に使用されているスイッチケースです。製品に使われている材質は鋳造欠陥の引け巣が発生しやすく、材質による問題での難易度が高い製品であり、鋳造方案決定までにかなりのトライアンドエラーを行うことで不良率が80%も改善されています。アルミ鋳造・機械加工ソリューションでは、アルミ合金と銅合金を数種類ずつ取り扱いがあり、お客様に最適な鋳造方案をご提案しております。

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アルミ鋳物の検査事例③:自動車向け吸気配管部品

こちらは自動車用の試作開発部品です。試作開発の様々なテストで使用される目的から4種類の仕様に分かれており、砂型鋳物の中子を使い分けた2種類の鋳物を製作し、鋳物形状に応じて機械加工のバリエーションで2種類、計4種類の仕様を3週間で対応させて頂きました。アルミ鋳造・機械加工ソリューションでは木型から鋳造、機械加工、耐圧検査まで一貫生産対応が可能なので、お客様のご要望どおりの製品を短納期でご提供することが可能です。

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アルミ鋳造のことならアルミ鋳造・機械加工ソリューションにお任せ下さい!

今回は、アルミ鋳物の検査で気を付けるポイントについてご紹介いたしました。鋳物の製作工程の中で鋳物の形状や寸法が製作図に合致しているかどうかの確認が重要となります。

アルミ鋳造・機械加工ソリューションを運営するカルモ鋳工では、木型・金型の設計・製作から鋳造、機械加工、検査まで自社で内製、表面処理まで一貫対応しています。当社では高精度の三次元測定機を2台保有し、全検査員はQC検定を取得しているために、確かな品質での鋳造品のご堤強を実現しております。

アルミ鋳造にお困りの方は、アルミ鋳造・機械加工ソリューションまでお問い合わせください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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